テニスが子供の「自立心」を育てる最高の教育になる理由

テニスは「自立のスポーツ」である

お子さんに習い事をさせるとき、何を基準に選びますか。楽しさ、体力づくり、友達作り。どれも大切な要素です。でも、もし「子供の自立心を育てたい」と考えているなら、テニスほど適したスポーツはないかもしれません。

なぜなら、テニスは自立のスポーツだからです。

テニスの最大の特徴、それはセルフジャッジがメインであることです。

野球やサッカーには審判がいます。バスケットボールにも、バレーボールにもいます。でもテニスは違います。プロの試合を除けば、ほとんどの試合で選手自身がジャッジを行います。

セルフジャッジでは、何をする必要があるでしょうか。

これらは全て「能動的」な行動です。誰かに指示されるのではなく、自分で考えて、自分で判断して、自分で動く。テニスをプレイする中で、子供たちは自然とこの能動性を身につけていくのです。

テニスのもう一つの素晴らしい点は、自分の苦手が分かりやすいことです。

練習でも試合でも、苦手なショットには必ずボールが集まります。バックハンドが苦手なら、相手はバックハンドを狙ってくる。ボレーが苦手なら、前に詰められて困る。自分の弱点が、プレーを通じて明確に見えてくるのです。

そして大切なのは、その課題に対して**「どうすれば良いか」を自分で判断する力**が養われることです。

「バックハンドが苦手だから、もっと練習しよう」「ネットにかかるから、もう少し高く打ってみよう」「あの返し方がうまくいったから、次も試してみよう」

こうした試行錯誤のプロセスを、子供たちは自分の頭で考え、自分で選択していきます。

この「自分で課題を見つけ、自分で対策を考える力」は、実は勉強にも直結します。

テニスで培った力は、こんな風に学習に活かされます。

テニスを通じて身につけた「自立心」は、スポーツの枠を超えて、人生全般に役立つスキルになるのです。

私がスクールでテニスを教えていた頃、多くの親御さんから嬉しい報告を頂きました。

「テニスを始めてから、自分から行動するようになりました」

この言葉を、本当にたくさん聞きました。朝、自分で起きるようになった。宿題を言われる前にやるようになった。習い事の準備を自分でするようになった。

テニスコートで培った「自分で考え、自分で動く」習慣が、日常生活にも良い影響を与えているのです。子供たち自身も、「自分でできる」という自信を持つようになります。

セルフジャッジには、もう一つ重要な側面があります。それは相手との信頼関係で成り立っているということです。

自分に有利なジャッジをしようと思えば、できてしまう。でも、それをしない。正直にジャッジする。なぜなら、テニスは相手への敬意と信頼の上に成り立つスポーツだからです。

ズルをしない、フェアにプレーする。このスポーツマンシップは、テニスを通じて自然と身についていきます。そしてこれは、社会に出てからも必要な、人としての基本的な姿勢です。

相手を尊重する心、正直であることの大切さ、信頼を守ること。これらの価値観を、テニスは楽しみながら教えてくれるのです。

テニスが子供たちに与えてくれるものをまとめると、こうなります。

これらは全て、生きていく上で必要な「自立」の要素です。テニスは、ただのスポーツではありません。子供たちの人生の基礎を作る、素晴らしい教育の場なのです。

もし、お子さんに「自分で考え、自分で動ける人になってほしい」と願うなら、テニスを始めてみてはいかがでしょうか。コートで学んだことは、きっと一生の財産になるはずです。