「いつ攻めて、いつ守るべきか」分かりますか?
試合中、こんな経験はありませんか。
「ここは攻めるべきだったのに、守ってしまった」 「無理に攻めて、ミスしてしまった」
攻めと守りのタイミング。これが分からないと、試合は思うように進みません。でも実は、攻めるべきか守るべきかを判断する明確な基準があるのです。
今日は、試合で勝つためのコツであり、チャンスを見極めるための3つの条件をご紹介します。
チャンスの条件、3つ
テニスで勝つためのコツは、実はシンプルです。以下の3つの条件を意識するだけで、試合の流れは劇的に変わります。
- 高い打点で打つこと
- 前で打つこと
- 体勢が整った状態で打つこと
この3つの条件が揃っているとき、それがあなたの「チャンス」です。逆に、条件が揃っていないときは「守り」に徹する。このメリハリこそが、勝利への近道なのです。
1. 高い打点で打つこと
まず最初の条件は、高い打点で打てているかです。
高い打点で打てるということは、ボールを上から叩けるということ。つまり、ネットを越えやすく、スピードも出しやすい有利な状況です。
逆に、低い打点で打たざるを得ないときは、ボールを持ち上げる必要があり、攻撃的なショットは打ちにくくなります。ミスのリスクも高まります。
判断基準:
- 腰より高い打点 → 攻めるチャンス
- 腰より低い打点 → 守りを意識
2. 前で打つこと
2つ目の条件は、コートの前の方で打てているかです。
ベースラインより前、できればサービスラインの近くで打てれば、相手コートまでの距離が短く、相手に時間を与えません。角度もつけやすく、攻撃の選択肢が広がります。
一方、ベースラインより後ろで打つ状況では、相手に時間的余裕を与えてしまいます。攻めても相手に拾われる可能性が高くなります。
判断基準:
- ベースラインより前 → 攻めるチャンス
- ベースラインより後ろ → 守りを意識
3. 体勢が整った状態で打つこと
3つ目の条件は、体勢が整っているかです。
しっかり足を踏ん張り、バランスの取れた状態で打てるなら、自分の思い通りのショットが打てます。コントロールも効き、ミスも少なくなります。
逆に、走らされて体勢が崩れている、バランスを崩している状態では、どんなに技術があっても思い通りのショットは打てません。
判断基準:
- バランスが取れている → 攻めるチャンス
- 体勢が崩れている → 守りを意識
3つ揃えば攻め、減るほど守る
ここからが重要です。この3つの条件を、揃っている数で判断するのです。
3つ全て揃っている
→ 全力で攻める。決めにいくショットを打つ絶好のチャンス
2つ揃っている
→ 攻撃的に。ミスに注意しつつ、主導権を握るショット
1つしか揃っていない
→ 慎重に。無理せず、次のチャンスを作るショット
1つも揃っていない
→ 完全に守り。高く深く返して、立て直しを優先
このように条件の数で攻守を判断すれば、常に自分のペースで試合を進められるのです。無理な攻撃でミスすることも、チャンスを逃すこともなくなります。
相手には逆の条件を突きつける
さらに重要なのは、相手には逆の条件を作り出すことです。
自分が有利な条件を作るだけでなく、相手を不利な状況に追い込む。これができれば、もう不利になることはありません。
相手に突きつけたい3つの条件
- 低い打点で打たせる
- スライスや低い軌道のショットで、相手を低い打点に追い込む
- 後ろで打たせる
- 深いボールを打ち続け、相手をベースラインより後ろに押し込む
- 体勢を崩す
- 左右に振る、前後に動かす、タイミングを外すなどで、相手のバランスを崩す
「何を、どこに打つべきか」が見えてくる
この6つの条件(自分の3つ、相手の3つ)を意識すると、不思議なことが起きます。
「どんなショットを、どこに打てば良いか」が自然と分かってくるのです。
例えば:
- 相手が前にいるとき → 深く打って後ろに下げる(条件2’を作る)
- 相手のバランスが崩れているとき → 逆サイドに打って追い込む(条件3’を維持)
- 自分が前で打てるとき → 角度をつけて決めにいく(条件2を活かす)
条件を意識することで、戦術が明確になります。何となくではなく、理由を持ってショットを選択できるようになるのです。
試合中の実践方法
では、実際の試合でどう使えばいいでしょうか。
ステップ1:一球ごとにチェック
最初は、一球打つごとに「今、条件はいくつ揃っている?」と確認します。慣れないうちは意識的に。
ステップ2:パターンを覚える
よくある状況と条件の関係を覚えます。「相手の浅いボールが来た → 前で打てる、高い打点 → 2つ揃った → 攻めよう」という感じです。
ステップ3:瞬時に判断
慣れてくれば、意識しなくても自然と判断できるようになります。体が勝手に攻守を切り替えるようになるのです。
練習でも条件を意識する
この条件は、練習でも活かせます。
- ラリー練習で「今、条件いくつ?」と確認しながら打つ
- 球出し練習で、意図的に条件を変えて打ち分ける練習をする
- 相手に不利な条件を作るショットを意識的に練習する
試合だけでなく、日々の練習から条件を意識することで、判断力は格段に向上します。
勝つための「シンプルな基準」
テニスは複雑なスポーツです。でも、勝つための基準は意外とシンプルです。
高い打点、前で打つ、体勢が整っている。この3つ。
たったこれだけを意識するだけで、あなたの試合運びは見違えるように変わります。無駄なミスが減り、確実にチャンスを活かせるようになり、気づけば勝率が上がっているはずです。
次の試合では、ぜひこの3つの条件を思い出してください。条件が揃ったら攻め、揃っていなければ守る。このメリハリこそが、勝利への最短ルートなのです。


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