テニスが「視る力」を鍛える最高のスポーツである理由

テニス

テニスに必要な「視る力」とは

テニスをプレイしていると、「ボールがよく見えない」「相手の動きに反応できない」と感じることはありませんか。実は、テニスの上達には技術や体力だけでなく、**「視る力」**が大きく関わっているのです。

しかも興味深いことに、テニスは他のスポーツと比べて、特に多様な視覚能力を必要とするスポーツなのです。では、具体的にどのような「視る力」が求められるのでしょうか。

テニスに必要な4つの視覚能力

1. 動体視力

最も重要なのが動体視力です。時速100km以上にもなる高速で飛んでくるボールを正確に捉える能力。相手のラケットからボールが離れた瞬間から、自分のラケットに当たるまでの軌道を追い続ける力が求められます。

動体視力が優れていると、ボールの回転やスピードの変化も見極められるようになり、より的確な判断ができるようになります。

2. 瞬間視

瞬間視とは、一瞬のうちに多くの情報を認識する能力のことです。テニスでは、相手の体勢、ラケットの角度、フォームの微妙な違いから、どんなショットが来るかを予測する必要があります。

わずか0.5秒の間に相手の情報を読み取り、次のプレーを判断する。この瞬間的な情報処理能力が、テニスでは常に求められるのです。

3. 周辺視野

ボールだけを見ていては勝てないのがテニスの奥深さです。周辺視野を使って、ボールを追いながらも相手のポジション、コートの空いているスペース、ネットとの距離感などを同時に把握する必要があります。

優れたプレイヤーは、ボールに集中しながらも、コート全体の状況を周辺視野で捉えています。だからこそ、相手の裏をかくショットや、効果的なコース取りができるのです。

4. 深視力

深視力とは、物体までの距離を正確に測る能力です。テニスでは、飛んでくるボールまでの距離、ネットまでの距離、相手との距離など、常に立体的な空間認識が必要になります。

特にボレーやスマッシュなど、瞬時の判断が求められる場面では、この深視力が勝敗を分けることもあります。

テニスは「視る力」の総合トレーニング

ここまで読んで、「こんなにたくさんの能力が必要なの?」と驚かれたかもしれません。実は、これこそがテニスの素晴らしいところなのです。

研究によると、テニスプレイヤーは他のスポーツと比べて、これらの視覚能力がより高いレベルで求められることが分かっています。野球やサッカーなど他の球技と比較しても、テニスほど多様な「視る力」を同時に使うスポーツは珍しいのです。

プレイすることで視る力が成長する

さらに嬉しいことに、テニスをプレイすること自体が、これらの視覚能力を鍛えるトレーニングになります。つまり、テニスを続けていれば、自然と「視る力」が成長していくのです。

  • ラリーを続けることで動体視力が向上
  • 試合を重ねることで瞬間的な判断力が磨かれる
  • ダブルスをすることで周辺視野が広がる
  • ネットプレーで深視力が鍛えられる

テニスは単なるスポーツではなく、脳と目の連携を鍛える、まさに「視覚のトレーニングジム」と言えるかもしれません。

年齢を重ねても続けられる理由

この「視る力」を鍛える効果は、年齢を重ねてからも大きなメリットをもたらします。日常生活でも動体視力や深視力は重要な能力。テニスを続けることで、これらの能力を維持・向上させることができるのです。

テニスが生涯スポーツとして愛される理由の一つは、こうした視覚能力を含めた総合的な能力を、楽しみながら鍛えられる点にあるのかもしれませんね。

次回コートに立つときは、ぜひこの「視る力」を意識してみてください。ボールを追う目の動き、相手を捉える視野、距離感の把握。これらを意識するだけで、テニスの見え方がきっと変わるはずです。

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